2019年の年末から年始にかけって突如4回のストップ高により暴騰したソレキア。
適宜開示もトリガーとなるニュースもなかったのに突然の暴騰により、一躍注目銘柄になりました。
なぜこの暴騰が発生したのか?今回はソレキアの暴騰の原因と今後の株価、業績について予想したいと思います。
基本情報
先ずは、ソレキアの基本情報を見ていきましょう!
会社名 | ソレキア |
上場 | ジャスダック |
業種 | 卸売 |
会社概要 | ICTソリューションの電子デバイス・半導体・情報関連機器 |
発行済株数 | 865,301株 |
売上 | 22,900百万円 |
経常利益 | 860百万円 |
PBR | 2.48倍 |
BPS | 7860.37 |
ROE | 7.46% |
ROA | 3.48% |
現在株価 | 19,490円 |
株主優待 | なし |
配当(一株あたり) | 50円 |
主要株主 | フリージア・マクロス 24万株 佐々木ベジ 19万株 |
※2020年1月20日時点
注目すべきは発行株数が約86万株と少ないということです。また主要株主に「佐々木ベジ氏」という個人がいます。
この人は筆頭株主であるフリージア・マクロスの会長にあたります。つまりは、「佐々木ベジ氏」とその関連会社であるソレキア株の半分近くを保有しているということです。
なぜ個人がソレキアの株を保有しているのかというと、2017年にソレキアの取引先である富士通と佐々木ベジ氏がTOB合戦の結果、最終的には佐々木ベジ氏が勝利して敵対的TOBが成功したからです。
なお佐々木ベジ氏がソレキア買収に動いた理由としては「株主として低迷したソレキアを立て直したい」と言っています。(佐々木ベジ氏は筆頭株主になる2017年以前からソレキアの株主)
TOB成功後が影響したかは定かではありませんが、結果として2016年に赤字を計上した以降はVの字に回復しており、現状順調に売上、利益ともに伸びています。
直近5年は綺麗な右肩上がりで、申し分ない業績です。
株価と見る、時系列
次は暴騰の流れを株価の推移とともに見ていきましょう。
2017年2月3日
佐々木氏がソレキアに対するTOBを発表(TOB価格2800円)
これにより1900円だった株価は翌営業日に株価は上昇
株価:2342円
2017年3月10日
ソレキアが佐々木氏のTOBに反対意見を発表。
2017年3月10日
佐々木氏に対抗して富士通がソレキアに対するTOBを発表(TOB価格3500円)
株価:3565円
以降、富士通と佐々木氏の値段の吊り上げ合戦が開始。
2017年5月23
吊り上げ合戦の結果、最終的には富士通は5000円、佐々木氏は5450円となり佐々木氏のTOBが成功する。
これにより佐々木氏が筆頭株主となる。それに伴い株価も上昇し。
株価:4675円
株価は6月には7000円代をつけるが、2017年1Qの決算にて損失計上のため、失望から株価が3000円代に急降下。以降長い横ばい状態になる。
2019年12月23日~
前日は4430円だった株価が突然急上昇。特にIR、関連ニュースも無し
株価:5130円
4回ものストップ高が発生し、2020年1月8日には一時25130円を記録。(2019年11月時点の株価と比べの8倍に!)
現状は、高値からずるずると降下中。
暴騰の原因
2020年12月23日になるがあったのでしょうか?適宜開示もありませんし、関連するニュースも報道されていません。
ではなぜ株価は暴騰したのか?紐解くカギは売買高だと思います。
12月23日以前は出来高が非常に少なく、板が薄い状態がずっと続いていました。(1日100株しか取引きされていない日が多数あり)
この出来高の低さ、株価の発行数の少なさは=株が市場には流通しにくということです。株式用語を使うと固定株が多く、浮動株が少ないと表現されるます。
流通している株が少ないのですから、少ない量、金額で株価を大きく上げ下げできる状態ということなのです。
用語
浮動株…株式市場に流通する可能性が高い株
この状態にくじら(大口の投資家、ヘッジファンドの機関投資家)が目をつけて連日買いをいれたため、株価が急上昇したのでは?と私は推測しています。
今後の株価と業績
株価チャート
前述したように、12月末から仮想通貨で見たような急上昇のチャートを記録しています。
俗にいうイナゴタワーというやつですね。機関投資家がイナゴタワーを築き上げ株価の急上昇という撒き餌に釣られた一般投資家がタワーに群がり、一般投資家が入れた資金を機関投資家が一気に利確しかっさらう。
移動平行線(25日)との乖離も大きくあり、直近はその乖離を埋めるがごとく株価はズルズルと下降していくと思われます。
流石に急に上がりすぎです。健全な上がり方ではありません…
配当金、株主優待
ソレキアには株主優待制度はありません。
配当については2018年度は70円でしたが2019年50円、2020年も50円と予想されています。
業績が右肩あがりなのに配当が増えないので、会社として株主への還元には重きを置いていないことがわかりますね。
倒産確率
2014年の決算時は現金以外のキャッシュフローはマイナスでしたが、今は業績も右肩上がりで現金も沢山あり、フリーキャッシュフローも問題ありません。
そのため直近での倒産はありません。
まとめ
- 現状イナゴタワー状態のため、購入非推奨
- 価格上昇は大口投資家の作戦?
- 業績は右肩上がり
- キャッシュフローも問題なし
業績、キャッシュフローだけ見ると綺麗な右肩であるため、今後も同様の成長を期待するのであれば株を購入するのは、アリかもしれません。
しかし、現状は急激な価格上昇によるイナゴタワーが形成されているため、この状態で購入をするのはあまりにリスクが高いです。
私の推測が正しければ、大口の投資家は目測通りに高値で売り切って、価格下降に狼狽した一般投資家が損をするだけの構図だと思います。
ソレキアに限った話ではないですが、市場に出回る株数が低い銘柄を扱う場合は、株価の動きが上にも下にも大きく移動するというリスクがあることを考慮する必要があります。