コロナが世界で大きく広がり、経済活動も自粛モードとなっています。
これにより各社の決算は非常に悪く、来期の業績予想も未定のなっているところが多く、不透明な状況が続いています。
特にこのコロナショックの影響を大きく受けたのは外食産業です。3月の感染拡大からの外出自粛により、外食する人が減り大打撃を受けています。(減益減収が増えています)
今回は渦中の外食産業有名10社をピックアップして、コロナショックでの株価影響、各社のコロナ対策(休業)、キャッシュから倒産確率、危険度を考察していきたいと思います。
さてさてコロナショック時に強い企業はどこなのでしょうか?
※3月期決算が発表後、各社の情報を更新予定。
Contents
ゼンショーホールディングス
会社名 | ゼンショーホールディングス |
運営レストラン | すき家、なか卯、ココス、ジョリーパスタ、牛庵など |
株価(2020年4月末時点) | 2,135円 |
株価(2020年年初時点) | 2,433円 |
2020年初からの下落率 | -13.3% |
1-3月期当期利益 | 1,578百万円 |
1-3月期前年同期比 | -55.3% |
セグメント売上比率 | 外食事業86.4%、小売り13.6% |
コロナ影響 | ・基本方針は営業継続(一部モール店舗は除く) ・時短営業、20時以降はテイクアウトのみetc |
幅広いブランドのレストランを経営しておりかつ、外食産業以外にも小売りなどの事業も実施しているゼンショー。
特にスーパーマーケットの事業があるので、コロナ対策としてはこの小売り事業の収益性が上がってくるのでは?と思います。
なお一時はワンオペ問題、ブラックバイト問題が世間の露見したことにとり企業イメージはよくないですね。
コロナ時の会社方針としても、基本的には営業続けると言い張っているのがあまり良い印象を持てませんね。
営利を第一に追求している印象を受けます。そのためか業績、キャッシュ上場も良い状態です。
株価への影響の軽微であり、日経が年初より約20%以上下がっている中で13%に抑えられています。
コロナ影響があったとして業績は下がれど乗り切れると思われます。コロナ影響が数字として見えてくるのが本決算後なので、本決算後に情報を追記したいと思います。
【2020/5月追記】3月期の決算は、増収減益ではありますが赤字は回避していました。
危険度:☆☆☆★★
すかいらーくホールディングス
2020年4月28日現在
会社名 | すかいらーくホールディングス |
運営レストラン | ガスト、ステーキガスト、ジョナサン、バーミヤン、夢庵、から好しなど |
株価(2020年4月末時点) | 1,583円 |
株価(2020年年初時点) | 2,108円 |
2020年初からの下落率 | -25% |
1-3月期当期利益 | 248百万円 |
1-3月期前年同期比 | -90.8% |
セグメント売上比率 | 外食事業100% |
コロナ影響 | ・約3200店舗中約350店舗を休業 ・時短営業、20時以降はテイクアウトのみetc |
ガスト、優待がお得なで有名なすかいらーくです。
コロナ以前より業績が悪化している中からの、コロナ問題でのダブルパンチを喰らっています。
業績やキャッシュも悪い状況なので不安は残りますが、以前よりデリバリーを強化する方針をとっていたため、コロナ対策としては効果を発揮すると思われます。
また展開している店舗の主力がファミレスということも強みです。居酒屋やディナーメインのお店は休業することを余儀なくされているので、その点では安心出来ます。
【2020/5月追記】3月期の決算は、減収減益ではありますが赤字は回避していました。ほんとにギリギリですけどね…
危険度:☆☆★★★
日本マクドナルドホールディングス
2020年4月28日現在
会社名 | 日本マクドナルドホールディングス |
運営レストラン | マクドナルド |
株価(2020年4月末時点) | 5,390円 |
株価(2020年年初時点) | 5,210円 |
2020年初からの下落率 | +3.4% |
1-3月期当期利益 | 4,713百万円 |
1-3月期前年同期比 | -14.9% |
セグメント売上比率 | 外食事業100%% |
コロナ影響 | ・従業員感染の一部店舗を休業 ・店内での食事中止 ・非接触デリバリーサービスの開始(配達員からの手渡しではなく商品をお届け) |
大多数の飲食会社の株価が下落しているなか、なんとマクドナルドの株価は年初比で上がっています。
これはコロナ対策がしっかりとしている現れです。
店内での食事を全店舗で中止するという痛みを伴う判断をし、かつ非接触デリバリーというサービスを開始をする適用力。
コロナ感染が出た店舗もすぐに閉店し、消毒対応するなど企業としてのアクション、適応力に好感が持てます。
またファーストフードはデリバリー、テイクアウトとの親和性が非常に高いので外出自粛のこの状況下に嚙み合っていると思います。
コロナ以前において業績、キャッシュ状況ともによい状態であるため、コロナで多少なり売り上げが落ちたとしても乗り切れると思います。
【2020/5月追記】3月期の決算は、増収減益ではありますが他の外食会社よりも減益の幅が少ないです。
危険度:☆☆☆☆★
コロワイド
2020年4月28日現在
会社名 | コロワイド |
運営レストラン | 土間土間、甘太郎、牛角、かっぱ寿司、温野菜、ラパウザなど |
株価(2020年4月末時点) | 1,452円 |
株価(2020年年初時点) | 2,236円 |
2020年初からの下落率 | -35.1% |
1-3月期当期利益 | -7,794百万円 |
1-3月期前年同期比 | -425.9% |
セグメント売上比率 | 外食事業100%(居酒屋29%、レストラン71%) |
コロナ影響 | ・居酒屋業態の一時休業(7 都府県384店舗) ・レストラン業態の時短営業(7 都府県)※デリバリー、テイクアウトは除く |
コロワイドは居酒屋業務の割合が非常に多く、コロナ状況下では苦戦をしています。
自粛モードにより居酒屋が非常事態宣言が出されている都府県で休業となっています。
つまり自粛モードが解除されなければ、居酒屋業務の29%の売り上げがなくなるということです。
コロナ以前においても近年は業績、キャッシュ状況はともに低迷しています。コロナにより更に低迷、そして赤字が見えてきていまね。
【2020/5月追記】3月期の決算にて、約48億円もの赤字であることが発表されました。
危険度:☆★★★★
吉野家ホールディングス
2020年4月28日現在
会社名 | 吉野家ホールディングス |
運営レストラン | 吉野家、京樽、すし三崎港、すし三崎丸、海鮮三崎港、はなまる |
株価(2020年4月末時点) | 2,283円 |
株価(2020年年初時点) | 2,882円 |
2020年初からの下落率 | -20.8% |
3-5月期当期利益 | 7月中旬発表予定 |
3-5月期前年同期比 | 7月中旬発表予定 |
セグメント売上比率 | 外食事業100% |
コロナ影響 | ・全国一部の吉野家、京樽、はなまるにて休業、時短営業 ・ウーバーイーツ、出前館にてデリバリーキャンペーンを開始 |
牛丼の吉野家でおなじみの吉野家HDですがコロナ以前の業績が非常に悪く、利益率が1%としかありません。2019年度には赤字となっており、直近もすれすれの黒字です。
コロナ対策でデリバリーを強化しているようですが2021年度は赤字となる可能性が高いと思います。
キャッシュも売上比率で10%ほどしか現金資産を持っていないため、非常に苦しい状況が続くものと思われます。
【2020/7月追記】2020年5月1Qの決算は、減収減益となり、売り上げは約396億円で前年比̠-24.5%、純損益は40.8憶円赤字で前年比-472%となりました。最大150店舗の閉店も計画しているとも発表しています。
危険度:☆★★★★
スシローグローバルホールディングス
2020年4月28日現在
会社名 | スシローグローバルホールディングス |
運営レストラン | スシロー、杉玉 |
株価(2020年4月末時点) | 1,561円 |
株価(2020年年初時点) | 2,345円 |
2020年初からの下落率 | -43.5% |
1-3月期当期利益 | 2,056百万円 |
1-3月期前年同期比 | -15.3% |
セグメント売上比率 | 外食事業100%(寿司100%) |
コロナ影響 | ・寿司居酒屋の杉玉は直営店全店舗で休業 ・スシローは全国規模にて時短営業、一部休業 |
スシロー事業以外にもいろいろな事業実施しているのかなと思っていましたが、寿司事業一本の会社がスシローです。
そのため寿司事業がこけると経営が傾きます。
寿司は手で食べるスタイルです。(手からの感染リスク)
また回転寿司は握った寿司が店内をある程度の時間を有し巡回します。(他客からの飛沫感染リスク)
これらの食のスタイルがコロナ問題の歯車に悪くかみ合っており、感染懸念、衛生面で客離れが引き起っているものと思われます。
この懸念により、株価は年初比で43%もの大幅な下落を見せています。
直近の業績はよいのですが、前述の通り客離れが加速している中で大きく減収減益となると思います。(キャッシュも潤沢ではないので…)
【2020/5月追記】3月期の決算は、増収減益ではありますが赤字は回避していました。個人的には客離れが加速するもと思っていましたがそんなことはなく、増収となっています。
危険度:☆☆☆★★
サイゼリヤ
2020年4月28日現在
会社名 | サイゼリヤ |
運営レストラン | サイゼリヤ、マリアーノ、ZUPPA di PASTAなど |
株価(2020年4月末時点) | 2,143円 |
株価(2020年年初時点) | 2,626円 |
2020年初からの下落率 | -18.4% |
3-5月期当期利益 | 7月中旬発表予定 |
3-5月期前年同期比 | 7月中旬発表予定 |
セグメント売上比率 | 外食事業100%(日本74%、アジア23.3%、豪州2.3%) |
コロナ影響 | ・営業時間の短縮、酒類販売時間短縮 ・テイクアウトを強化 |
イタリアンレストランのサイゼリヤ。ミラノ風ドリアが安く美味しいですよね。
サイゼリヤは以外にも海外の割合も高く、中でも中国の割合高いです。(アジア市場の大部分が中国)
そしてこの中国市場の利益率は日本よりも高く、稼ぎ頭となっていました。(日本の利益率は4%、アジアは11%)
しかしコロナの影響により中国では330店舗で休業にとなっており大打撃を受けています。
業績はあまり振るっていませんが、キャッシュは潤沢にあります。
そのため倒産リスクは低く、コロナの影響によりすぐさま倒産するような状況ではありません。
しかしながら、前述した通り稼ぎ化したの中国にて営業が出来ない状態なので、非常に苦しい状況であることは間違いありません。
危険度:☆☆★★★
トリドールホールディングス
2020年4月28日現在
会社名 | トリドールホールディングス |
運営レストラン | 丸亀製麺、とりどーる、まきの、コナズ珈琲、晩杯屋など |
株価(2020年4月末時点) | 1,242円 |
株価(2020年年初時点) | 1,405円 |
2020年初からの下落率 | -11.6% |
1-3月期当期利益 | -1,924百万円 |
1-3月期前年同期比 | 47.1% |
セグメント売上比率 | 外食事業100%(国内79%、海外21%) |
コロナ影響 | ・晩杯屋を休業 ・その他は時短営業、20時以降はテイクアウトのみetc |
トリドールといえば丸亀製麺ですが、その丸亀製麺が事業の60%も占めています。
うどんは時間が経つ伸びてしまうの性質上、デリバリー、テイクアウトとは親和性が低い点が、この状況下では痛手です。
また居酒屋業務も展開していますが、該当店舗は全店舗にて休業となっています。
直近の業績はガチャガチャしており良い状況とは言えません。
また特に問題なのが、現金が非常に少ないということです。全然というほど、持っていません…。
コロナの影響により長期的に赤字が続くのであれば、倒産の文字も少しずつ見えてくるものと思われます。
【2020/5月追記】3月期の決算は、約19億円もの赤字であることが発表されました。
危険度:☆★★★★
クリエイトレストランツホールディングス
2020年4月28日現在
会社名 | クリエイトレストランツホールディングス |
運営レストラン | かごの屋、しゃぶ菜、磯丸水産など |
株価(2020年4月末時点) | 573円 |
株価(2020年年初時点) | 925円 |
2020年初からの下落率 | -38.0% |
3-5月期当期利益 | 7月中旬発表予定 |
3-5月期前年同期比 | 7月中旬発表予定 |
セグメント売上比率 | 外食事業1006% |
コロナ影響 | ・休業店舗数:国内525(1102店舗中)、海外42店舗(58店舗中) |
200もの店舗ブランドを有するクリエイトレストラツ。正直多角化しすぎてなのでは?という印象です。
コロナの影響により国内の半分が休業、海外は8割が休業となっています。
休業にとより稼ぐ力の大半が失われており、それに伴い株価も38%もの下落をしています。
直近の業績も落ち込んでおり、キャッシュもよろしい状況ではありませんね。(売上、利益に対する現金比率も低い)
コロナの影響により更に業績が悪化し、赤字になることも推測されます。
危険度:☆★★★★
ペッパーフードサービス
2020年4月28日現在
会社名 | ペッパーフードサービス |
運営レストラン | ペッパーランチ、いきなりステーキなど |
株価(2020年4月末時点) | 441円 |
株価(2020年年初時点) | 1,250円 |
2020年初からの下落率 | -64.7% |
1-3月期当期利益 | 発表時期未定 |
1-3月期前年同期比 | 発表時期未定 |
セグメント売上比率 | 外食事業100%(いきなり84%、ペッパー13%) |
コロナ影響 | ・一部店舗の休業、時間短縮営業 ・テイクアウト強化 |
全米展開などに、いきすぎた急速拡大により赤字となっており、コロナ以前から業績が大ピンチでした。それらの立て直しとして不採算店舗の整理を進めている最中でのコロナのより大打撃を喰らっています。
このダブルパンチによりキャッシュも枯渇気味で非常にまずい状態です。
一時は8000円以上あった株価も今では400円代と1/20まで落ち込んでいます。
立て直し中であるため、直近の業績、キャッシュもボロボロです。
今回紹介した10社中では抜群にやばい状態であるのは確かです。首の皮一枚で生きており倒産一歩手前な状況と思われます。
【2020/5月追記】5月に予定していた3月期決算が更に延期されることが発表されました。コロナの影響により決算対応が難しいとのことですが、本社にてテレワーク環境が整備されていないことが露見する結果となりました。
危険度:★★★★★
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まとめ
- コロナに強い会社は日本マクドナルド
- ペッパーフードは非常にまずい状態
- その他会社も状況は悪い状態
コロナの影響によりより外食産業かなりの影響を受けます。日本フードサービス協会の発表だと前年比増減率にて、外食産業は-17.3%とのことです。
なかでもファーストフードは-6.9%と影響が低く、ファミレスは‐21.2%、居酒屋は-43.3%、ディナーレストランは-40.5%とのことです。
外食産業の株価は安値付近にいますが、これらのデータを踏まえ慎重に売買計画を立てる必要があると思われます。