美顔ローラーの「ReFaリファ」や「Six Padシックスパッド」で知られているMTGの株価続落が続いています。
IPO上場時はユニコーン企業として注目されておりましたが、業績不振により大きく下がっています。
今回はMTGの今後の株価、業績、はたまた倒産リスクを予想したいと思います。
MTG 基本情報
先ずは、MTGの基本情報を見ていきましょう!
基本情報
会社名:MTG
業種:その他
会社概要:健康美容機器
発行済株数:39,729,000株
売上:18,212百万円
経常利益:-4,406百万円
PBR:0.81倍
BPS:1315.12
ROE:-14.6
ROA:-10.5
現在株価 :1062円
株主優待:100株以上で自社製品5000円相当
配当(一株あたり):なし
※2019年8月8日時点
美顔ローラー「リファ」は私の妻も持っていますが、リファの値段を聞いてびっくりした記憶があります。
なんで2万もするの?と
これはヴィトン、モンクレールなどと一緒でブランド戦略ですね。これらに言えることは原価が安く、収益性があるということです。
しかしながら、今期は大幅な赤字です。収益性が高い有名な製品をかかえているのに、なぜこのような状況になったのでしょうか?
株価と見る、時系列
赤字転落を株価の推移とともに見ていきましょう。
2018年7月10日
IPOで株式上場
公開価格の5800円を上回り7050円の初値がつき、時価総額2840億のユニコーン企業に!
この規模は2018年のIPOにおいて、メリカリに続いて第2位となりました。
株価:7350円
2019年2月12日週
第1四半期決算にて、営業利益が12.75億と発表。
グローバル事業、EC事業が牽引しているが業績の進捗率13%に留まり、計画未達を危惧した投資家の売りにより2連続ストップ安に。
株価:2750円
2019年4月1日週
経常利益予定を100億円から12億円に88.0%の下方修正を発表。前期88.8億の利益から86.5%大幅減益となり、株はストップ安に。
株価:1634円
2019年5月10日
株式優待開始を発表。
100株以上 5000円相当の自社製品
500株以上 25000円〜30000円相当の自社製品
※具体的な商品は未発表
あわせて第2四半期決算を発表。経常利益は7.12億円となり、4月の下方修正発表からさらにダウン。
優待への期待から、翌営業日に反転上昇。
株価:1805円
2019年5月13日週
上海子会社での売り上げにて、不適切会計と虚偽説明の疑いがあると発表。
第三者委員会設置。四半期報告書の提示延期を発表。
株価:1680円
2019年7月12日
従来の予定していた連結経常利益を12億の黒字予定から反転変更し、76億の赤字予定になることを発表。
業績悪化により、配当を0円にすることをあわせて発表。
更なる下げトレンドへ
今後の株価と業績
MTGは、利益の大半を美顔ローラーで稼ぎ出し、拡大していった会社です。
しかし、美顔ローラーは一時的なブームであるのは明らかです。ユーザーに行き渡ったら、需要は下がります。家電や生活雑貨とは違い、再購入する必要性が薄いからです。そのため、継続して長期間売り上げを高めて行くことは難しいのです。大きくなった会社を維持するには、
既製品の需要を拡大する
新たな稼ぎ頭、商品を開発する
が挙げられます。
既製品のリファ需要は、日本、中国、韓国がメインです。しかし、中国では中国電子商取引法施行による買い控え、韓国の対日感情悪化による買い控えでかなり難しい状況です。
残りの日本ですが、日本で買っていたのは訪日した中国人、韓国人だった模様です。(日本人には行き渡っているため、需要少)
その他地域に需要と活路を見い出すしかないですが、海外子会社である上海の不適切会計の件があり、そちらの問題が解決しなければ、その他地域での拡大、展開は難しいと思います。
また新ヒット商品開発は、狙ってポンポン出せるものではないのでハードルが高いと思います。
MTGは近年、AI、IOTに力を入れており、新しい製品を開発しているようなので、もしかしたらそれがら美顔ローラーのようにヒットしたらVの字回復のチャンスあるかもしれません。
なお、会社が保持している現金は306億円あり、まだまだ体力がある状態であり、直近での倒産リスクは低いです。
しかしながら、継続して赤字が続くようであれば危うくなってきますので、今後も決算に注目です。
株価はまだまだ下げトレンドです。PBRも1倍を切っているので格安の部類に入りますが、未来が不透明なので買い場とは思いません。
不正会計の全容も見えていないため、調査の結果次第では不信感、失望で更に下がると思います。
株価が下がり、優待利回りが高くなりますが何の商品が優待品として採用されるのか不明かつ、優待利回りが高い銘柄はいくらでもあるので、優待が株価下落のストッパーにはならないと思います。
高配当や高換金性の優待であれば、株価のストッパーになるのですが…
まとめ
2018年上場した有名なユニコーン企業として1番有名なのはメルカリです。MTG同様、上場時は公開価格を上回りでしたが、2019年8月時点では下げに下げて約半分になっています。
ユニコーン企業は過度な期待がかかるため、業績が悪いと失望により一気に下げます。
- ユニコーン企業への投資はリスクが高い
- ユニコーン企業は全力信用買いはしない
- 美容製品が継続して高利益を出すことは難しい
- 上海の不適切会計が解決していないため、今後のグローバル展開に暗雲が
- 優待で貰える商品に注目
当たると大きいですが、ユニコーン企業が継続的に大成した企業になる確率は10%とも言われていますので、程々の量を現金で買い、下がってきたら事前に決めた損切りポイントでしっかり対処し、被害を最小限にしましょう。