8/28に安倍首相が持病の悪化により退任を発表しました。それにより日経平均は一時600円安(-3.2%ダウン)を記録し、ドル円も円高に傾いています。
安倍首相といえばアベノミクスにより、経済政策に力を入れており就任後は低迷していた日経平均株価も上昇傾向にありました。
退任により今後の日経平均影響はどうなるのでしょうか?暴落は続くのでしょうか?
アベノミクスの効果を振り返り、今後の株価を個人的に予想していきたいと思い思います。
日経平均と株価指数
まずは今後を判断するために、2012年安倍首相が総理代就任後から株価はどうなったのか?アベノミクスの効果を確認していきましょう。
日経平均
第二次安倍内閣発足の2012年までは、リーマンショックのダメージから回復できず日経平均は低迷しており、1万円前後の横横状態でした。
それを打破したのが安倍首相です。アベノミクスを掲げ、経済対策(量的緩和政策)に力を入れことを宣言し、市場はポジティブとなり株価は大きな上昇トレンドへつながりました。
具体的には2013年日銀総裁に黒田さんが就任し、インフレ目標2%を掲げ株価、債券を買いまくる俗にいう黒田バズーカがありました。
また2016年にマイナス金利政策、市場に資金を投入し経済が廻るような対応を実施しました。
それにより株価は上昇、円安へと繋がったわけです。
日経平均PER
株価は上昇しているが、本当にアベノミクス効果で日本企業は潤っていたのかを株価の指標PERで見ていきましょう。
就任直後から2013年4月までは株価急上昇にともない、PERが上がっています。これは実績がともなっていない株価の上昇であるため、PERもそれに引きづられ上昇しています。(その期間は企業は稼げていない)
しかしそれ以降は12~16のレンジで推移しています。株価が順調に上げている中でPERの値が安定しているということは企業が稼げているというと判断出来ます。(1株あたりの利益は拡大)
直近コロナの影響により企業が稼げない状態となり、PERが上昇しましたがこればっかりはしょうがないですね。
日経平均PBR
次にPBRを見ていきましょう。
PBRもPERと同じような結果となっています。
就任直後から2013年4月までは株価急上昇にともない、PBRが上がっています。理由はPERと同様です。
そこからは株価は上がるがPBRがどんどん下がっています。企業が潤い順調に純資産が増えていったことが伺える結果です。
その他株価指数
アベノッミクス効果で企業が潤ったのはお分かり頂いたかと思いますが、株価指数以外の指標値も見ていきましょう。
GDP
GDPですがインドや中国などと比べるとパッとしませんが、順調に増えています。
リーマンショック以降の2008年、2009年、2011年は年の成長率がマイナス成長であったことも考慮すると日本経済が復活してきていることがわかります。
年 | 名目GDP(兆円) | 名目GDP成長率(%) |
2010 | 500.4 | 2.2 |
2011 | 491.4 | -1.8 |
2012 | 495.0 | 0.7 |
2013 | 503.2 | 1.7 |
2014 | 513.9 | 2.1 |
2015 | 531.3 | 3.4 |
2016 | 535.5 | 0.8 |
2017 | 545.9 | 1.9 |
2018 | 546.9 | 0.2 |
2019 | 553.8 | 1.3 |
なお直近については、コロナの影響により3期連続のマイナス成長となっており、不景気へ転換したという見方をするエコノミストが多いです。
2019年12月:-7%
2020年03月:-2%
2020年06月:-27%
景気動向指数
続いて景気動向指数を見ていきましょう。
なお景気動向指数とは経済に重要かつ景気敏感な28の項目を総合的に指標として示したものです。
コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)の2種類ありましすが、以下はCIの推移になります。
CIは前月を100として指標値を算出します。そのため100位かであれば経済が成長していないことを表しています。
上記データからは2018年以降は下り坂になっており、指標値的には芳しくない状況というとがわかります。
なぜコロナショック後に株価が上がる?
コロナショックにより一時的に日経平均は1万6552円となりました。2万4066円あった株価が約7500円も下落したのですが、現状は順調に推移し2万3000円代に復帰しています。
各種指標値からみて分かるように株価は復活していましたが、企業の利益は復活していません。
今期の決算にて東証一部上場企業の3割が赤字となりGDPは-27%の悲惨な結果となっています。(一部企業は黒字かしていますが全体的には決算はボロボロです)
株価が上がるのは政府の方針により金融緩和(お金を刷って市場に投入etc)しているからにすぎません。
実績にともなっていない私は株価上昇だと考えています。
各投資家は政府が買い支えことを信じでリスクオンモードに突入し株を購入しているため、株価が芋づる式に上がっている状況と推測されます。
安倍首相退任の株価影響
しかし、そんなリスクオンモードの空気が大きく変わりそうです。
そう経済政策を肝として邁進していた安倍首相の退任です。
退任発表後一時的に大きく日本株は売られましたが、最終的には326円安の2万2882円となりました。
一時600円安になったことを考慮するとしっかり反発をしたため、短期目線では大きな下落はないと思っています。(日本株に買い支えあり)
一方、長期的目線では、だれが首相となるのか?その首相が安倍首相のように経済対策をしっかりしてくれのか?などの不明な要因が多すぎのため判断することが出来ない状態です。
まとめ
- 長期目線の株価:次の総理大臣次第
- 短期目線の株価:大幅な下落はないと推測
- 現状、株価と企業実績に乖離あり
- 不景気突入懸念あり
アベノミクスの効果にて沢山の利益を得た投資家も多いと思います。
東証一部の大手株を2012年2013年頃に購入してれば、大多数の人は負けなし相場が続いてたと思います。
私も低迷し1000円を切っているソニー株を100万円分買うか迷って、結局買わかったことを今では悔やんでいます。(買っていたら800万になっていました…)
そんな相場も転換期を迎えています。
今後の見通しは見えませんが、先ずは首相がだれになるのか?経済対策はどうなるのか?をしっかり見極めた上で投資戦略を決める必要があります。
最後に安倍首相への感謝を述べて終わりにしたいと思います。
「体調が思わしくない中でのご対応お疲れ様でした。そしてありがとうございました。」