最初は納得して加入した生命保険。もともと払えていた金額が、転職や子供の就学、病気の発症など様々な原因により、払うことが難しくなることもあるかと思います。
そうなった場合に、契約の見直し、解約を検討することが多いと思います。しかし、直ぐに保険を解約してしまうと勿体ないです。
そんなときは解約ではなく、払い済み保険への移行を検討してみてはいかがでしょうか?
今回はなぜ保険を見直す必要があるのか?そもそも保険は必要なのか?払済保険のメリット、デメリットについて紹介したいと思います。
なぜ保険を見直す?
保険を見直すトリガーはそれぞれかと思います。
例えば病気などにより急にフルで仕事が出来なくなり、収入が低下し、今まで払えてきた生命保険を払うことが出来なくなった
不足の事態により多額の出費が必要になり支払いが難しくなった
など「保険費用を賄えなくなった」場合が多いのではないでしょうか?
我が家でも、夫婦ともに積立型の生命保険に加入していました。(今は払済保険に移行済み)
加入保険 | SOMPOひまわり生命 一生のお守り |
タイプ | 生命保険 終身タイプ 低解約返戻型 |
月額保険料 | 2万(夫婦で合計4万) |
死亡時 | 800万 |
支払期間 | 32年間(32歳開始、55歳の払込完了) |
支払総額(55歳時) | 560万円 |
契約内容としては、月額でそれぞれが2万。死亡時は800万の保証。55歳までに払込が完了し、積立総額560万ほどになります。
パット見てみると、お得そうですよね?560万払って1.4倍の800万になるのですから!
ではなぜ辞めたのか?月額夫婦で4万が払えなくなったのか?
そうではありません。見直しを検討した理由は、保険料の支払いが難しくなったからではありません。
生命保険が不要だと思ったからです。
生命保険が不要な理由
団信に入っているため
私はマンションを購入しています。購入する際は、もちろん団体信用保険に入っている。
これは死亡すると住宅ローンの費用がチャラになる保険です。つまり生命保険なのです。
団体信用保険が生命保険であるならば、さらに別途で重複し生命保険に入る理由はないと思いました。
積立型の生命保険はお得ではない
23年間、月額2万を払い続けて800万になるならば、それはとてもお得だと思い契約しました。
しかしそうではないことに気づきました。
保険同様に23年間、月額2万を投資した場合をシュミレーションしてみましょう。
複利で年4%とすると900万にもなりました。投資の圧勝です。
違います。保険会社がつぶれたら払った金額が返ってこないというリスクがあります。
また保険会社が利益をあげるしくみとは、ユーザからの保険金をもとに投資をしているのです。投資で儲けた一部を補償金、返戻金としてユーザに割り当てているだけなのです。(保険にて、加入者が享受できる利益は年の複利が1%のパフォーマンス)
端的言うと、積立型の生命保険はぼったくり投資信託です。
長期間資金が拘束されてやっと得られるのが、たった年利1%であれば、自分自身がインデックス投資をして儲けを全て享受したほうがよいですよね?世界に分散投資すれば、年1%以上のパフォーマンスを発揮することは容易です。
どうしてもリスクを取りたくないのであれば、不況に強く値動きが少ない国債のETFを購入すればよいのです。それだけでも充分、生命保険のパフォーマンスには勝てます。
また保険会社の営業さんを見てください。沢山いますよね?その人たちの人件費をどこから捻出されているのでしょうか?
そう私たちが払った保険料からです。それに気づくべきです。
日本の社会保険は手厚い
日本は世界でトップクラスの社会保障がなされている国です。生命保険の代わりとして機能する、国の補償制度が沢山あります。(遺族年金、障害手当金、生活保護など)
これらの制度理解し、プラスアルファで生活防衛費となるいくらかの貯金があれば充分ではないでしょうか?
余剰金を保険に突っ込むならば、私はインデックス投資をしたほうがよいと思います。
払済保険とは?メリット
払済保険とは簡単に説明すると、保険を解約せずに支払いを完了させるということです。詳しくはメリット、デメリットで内容を確認していきましょう。
保険を払う必要がなくなる
払済保険に移行すると、保険が払い済み状態になります。つまり以降の保険料は払わなくて済みます。これにより、保険に割り当てていた費用を他に充てることが出来ます。
保険が維持される
解約した場合は、一時金として返戻金は戻りますが、その後死亡しても補償はありません。
解約との大きく違う点として、保険が継続される点です。万が一に死亡した際も、返戻金として保険金を受領出来ます。上の画像は私の契約内容です。私の場合、約100万払い、98万の保険金となっていますね。
ポイント
損失を抑えることができる
基本満額払わなければ、損をするのが保険です。
私の場合、即解約すれば解約返戻金が60万もらえます。しかし、払い込んだ金額は100万です。40万も損をしていることになります。
しかし、払済保険に移行し、30年放置すると解約返戻金が80万になります。これは保険会社が低利率ながら運用してくれるからです。
そのため20万程の損で済み、即解約するよりも損する額が減るということです。
払済保険とは?デメリット
保険金が元本割れする
保険は維持されるのですが、満額払った時のように払った金額に対して、それ以上の金額、利益を得ることは出来ません。
私の場合、約100万払い、98万の保険金となるため、2万程損をすることになります。先述通り、解約するよりはマシですが…
資金が拘束される
損失を抑えることが出来るとお伝えしましたが、損失を軽減するにはかなりの年月がかかります。
長期間資金が拘束されるため、流動的に利用できるお金ではないということを認識しておくことが必要です。
またどんなに長期間寝かせていても、結局はプラスに転じません。理論上は即解約して、投資で運用した方がパフォーマンスが発揮できると思われます。
まとめ
- 生命保険の年利は低く、投資をした方が効率的
- 保険会社は営利企業(儲けはユーザから徴収したの保険料から)
- 生命保険は、国の社会保障、団信などで賄える
- 払済保険移行で、出費を抑えられる
- 解約するより、払済保険の方が損失が少ない
日本人は保険がとても大好きです。しかしなぜ加入が必要なのか?を理解せずに保険に加入している人が大半です。
盲目に保険に加入するというにとらわれず、なんのリスクに対して保険をかけているのか?を自分の中で今一度考えた方がよいと思います。
単純に老後資金として保険を選定しているのであれば、それは間違いです。
定期にお金を捻出し、長期間拘束されてようやく得られるのがたった年利1%の利益です。保険にまわす資金があるならば、投資に資金をまわし自分で運用をした方が効率的であると私は考えています。
全ての生命保険を否定するわけではありません。本当に自分で資産運用をしたくないのであれば、保険もいいかもしれません。
ただ、保険は保険会社が投資で得た利益のほんの一部を享受しているだけということをお忘れなく!
なお契約中の保険を見直す方法として、今回紹介した払済保険が必ずしもベストな方法であるとはかぎりません。
解約を選択するのも選択肢としては間違っていないと思います。解約すれば直ぐ解約金を得ることができ、それを元金に投資したり、予期せぬ出費に割り当てること出来るからです。
解約金が直ぐに必要ならば解約をし、塩漬けでも良いのであれば払い済み保険が良いと思いますので、それぞれの目的にあった方法を選んでください。