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どうなるかんぽ生命保険(7181)?今後の株価、配当を予想


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郵政グループのかんぽ生命保険が上場以来の最安値を更新し、暴落しています。このかんぽ生命保険ショックの原因は、客に不利益をもたらすような契約、販売をしていたことが発覚したことによる、該当企業への嫌気からの下落です。

なぜ不適切な契約を推し進めたのか?問題を紐解き解説し、今後の株価、配当、はたまた倒産のリスクを予想していきたいと思います。

 

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かんぽ生命保険 基本情報

先ずは、かんぽ生命保険の基本情報を見ていきましょう!

基本情報

会社名:かんぽ生命保険
業種:保険 業界時価総額2位
会社概要:郵政事業民営化に伴い民営化。販売対象は女性と中高年層
発行済株数:600,000,000株
大株主:日本郵政(89%)
売上:7,916,655百万円
経常利益:264,870百万円
PBR:0.5倍
BPS:3,559.7
従業員:7,490人
現在株価 :1791円
株主優待:なし
配当(一株あたり):76円(利回り4.24%)

※2019年7月12日時点

大株主が日本郵政で約9割も株を保持していますね。単純計算で日本郵政は40,584百万円もの配当を毎年貰っていることになります。
また販売ターゲットに中高年がありますが、今回、不利益を受けたのも金融リテラシーが低い高齢者です。これらが、今回の事象を紐解く鍵ですね。

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不適切契約と背景

基本情報がわかったところで不適切契約と背景を見ていきましょう。

不適切契約

今回発生した不適切契約とは、顧客に不利益となるような保険契約を促し、契約させたということです。これは合計で2万3900件も発生しています。

具体的な手法としては、旧契約から新たに発売された新契約に移行を促し、移行させるのですが、健康上の理由で旧契約では受けれていた様々な特約が新契約では受けれなくなっていたという問題があります。

今回は移行といっても、旧契約を解約して、新契約を締結しているようです。お年寄りなら、なんらかの病気が発症している人が大多数だと思いますので、新契約の加入条件に引っかかったのでしょう。

つまり新契約では、旧契約と比べサービスダウンしたということです。移行をオススメするなら、サービスダウンはあり得ないですね。

さらに旧契約から新契約に移行したのに、新旧ともに課金がなされたという2重請求も発覚しています。それが2万2000件です。凄い割合、数です。

どうしてこんな事象が発生したのでしょうか?普通なら気付くだろう!っと思うかもしれませんが、今回の事象は高齢者ユーザで起こっています。つまり金融リテラシーが低く、保険内容もしっかりと理解していないユーザです。

きっと職員を信用していたのでしょう。その場で職員がメリットだけを伝え、デメリットは説明せずに言いくるめてしまい、利益率の高い新契約に移行させてしまったということです。

事件の背景

かんぽ生命保険に限らず、郵政グループは民営化後、利益至上主義になっています。特に有名なのが、年賀状のノルマです。職員にノルマを課して、近年売上が冷え込んでいる年賀状を捌いてもらうのです。

実際は、ノルマが達成できない職員が多く、不足分は職員の自腹になっていると噂がされています。

かんぽ生命保険も同様で、高いノルマが課せられており、それをクリアするため現場は致し方なく、利益率の高い商品、契約を取る戦法に出るわけです。それがユーザーに対して、デメリットしかないものであってもです。

つまり、今回の件は会社の体質によるところが大きいです。売る行為も悪いですが、本質はそうせざる得なかった会社環境が一番の問題だと思います。本事件発覚後も、内部告発を恐れたのか、職員に向けてSNSの禁止令を出したようです(今回の事件も現場の社員からのタレコミがトリガーとのこと)。

これは不正施工問題が発覚したレオパレス同様に、大企業病の重度症状ですね。

株価と見る、時系列

2015年11月

東証1部に上場 初値は2,929円
売り出し価格2375円

2019年4月

大株主の日本郵政が、かんぽ生命保険の売り出しを発表。それにより株価は2200円代まで下落。売り出し価格以下になる。

2017年10月

新商品をかんぽ生命保険が発表。それに伴い、新契約への乗り換えトラブルが急増。

2019年6月24日

日本郵政がかんぽ生命保険の不適切販売を発表。金融庁による調査も開始。

2019年7月10日

かんぽが会見にて、不適切契約を認めて謝罪。

2019年7月12日

株価続落により、時価総額が1兆円を下回る。株価が1791円となり、上場以降の最安値を更新中。

郵政がかんぽ株の売り出しをしていたため、不適切契約が露見する前から株価は下げトレンドでしたが、不適切契約により、更に強い下げトレンドへ移行したと思います。

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今後の株価と配当予想

保険は契約したユーザが毎月定期的に契約費用を支払うため、一度契約してしまえば経常利益が確保出来ます。そのため、業績は急速には崩れ難いです。しかし、近年は経常利益が落ち込んでいます。2015年と2019年比べると約半分になっています。

経常利益
2015年 492,625百万円
2019年 264,870百万円

それに加え今回の事件をきっかけに、解約するユーザが増えれば利益の確保が更に難しくなります。また新規ユーザ獲得も難しくなると思われます。つまりビジネスモデル見直し、ユーザへの誠実な対応が必要です。

そして、何よりも今回の発端である企業体質、利益至上主義の見直しを必要になります。

また配当については、当面は続くと思われます。配当性としても上場以来、配当金は毎年のように上げてきています。これは日本郵政への献上金の意味合いが強いので、今後も上がり続ける可能性はありますが、郵政はかんぽ生命保険の株を2019年4月に売りに出しています。

今後もどんどん売り出していく可能性があり、そうなればかんぽ側が献上金である配当を高めていく理由は希薄になっていくと思われます。

これは日産とルノーの関係性と同じですね。(日産は2019年に大きく減配しました)

あわせて読みたい

これらの点から今後も株価は下落し、配当が下がる可能性を秘めたかんぽ生命保険は、買う理由はないと思います…

なお倒産リスクは今のところありません。腐っても?元国営企業。親会社が大きいのでキャッシュフローとしても体力はまだまだあります。

まとめ

注目すべきは会社がとる次のアクションです。害を被ったユーザーに対して、どのように誠意を示すのか?利益至上主義のノルマ営業を会社体質をどう改善できるのか?これが出来なければ、信頼が一番の保険業界において、新規顧客獲得は難しいですし、既存のユーザーも離れてしまいます。

  • 郵政グループの体質改善が必須
  • 今後の既存ユーザーへの対処が重要
  • 新規顧客をどの様に取り込んでいくか?
  • 親会社の郵政がかんぽ株を売り出したら注意(株価、配当が下がる可能性大)

今までは、各郵便局での親身な対応が信頼に繋がり、売り上げになったと思いますので、その長所を取り戻さないといけません。また金融リテラシーが高い層、若い層を取り込んでいかなければ、未来は明るくはないので、取り込む用の新規サービスが必要になるのではないでしょうか?

今後もかんぽ生命保険の動きは、記事にて更新していきたいと思い思います。

更新箇所

2019年7月15日

かんぽ生命と日本郵便は問題を受け、すべての契約2900万件について契約内容の確認を行うと発表されました。

この流れは、どこかのレオパレスと同じですね…。どの程度の割合で不適切契約が見つかるのか?また調査対象数が膨大であるため、どのように調査をしようとしているのか?調査費用、その対処費用もダダではありませんので、その費用が負担となり今期は赤字になりそうですね。

かんぽ生命株を狙っている人は調査内容を踏まえて、買い時を検討する必要がありますのでご注意を!

2019年7月29日

厳しいノルマをクリアするため、郵便局員内にて自腹営業が横行したいたこと、顧客に無断で申請書を作成し契約をしていたこが発覚しました。

なおこれら様々な不正を把握したうえで、2019年4月にかんぽ株を売り出しをしていた可能性があるようです。不正発覚後では株価が下がるので、その前に売っておこう!という魂胆だったのでしょうか?

つまり経営陣は、局員にもお客様にも株主投資家にも不誠実な対応をしていたということです。

2019年7月31日

過去5年間で約18万3千件もの不正があったことが発表されました。当初発表された2万3千件から、瞬く間に件数が増加しています。

2019年8月9日

2019年4~6月期決算にて利益が1350憶円(前年比9.3%)であることが発表されました。まだまだ不正契約の影響が数字に表れていませんが、来期からはその結果が表れてくるものと思われます。
2019年8月30日
7月8月の保険販売が売上計画に比べて約9割減であり、投資信託も3割減であることが発表されました。この状況にてまだ購入しているユーザがいるのに驚きです。どのような手法にて契約をしているのでしょうか?しっかり保険のメリット、デメリットを説明し、客が納得した上で契約を実施しているのでしょうか?

また同日にて自粛していた自社の生命保険を再開したいとも報道がありました。不適切契約の全体像を把握出来ていない中で、このような判断は適切なのでしょうか?全体が見えていなkれば会社としても、その問題に対する対処が適切に出来ていないのでは?と思えてしまいます。再開はユーザの影響は2の次で、前述した売上低下を食い止めるための施策に見えてしまいます。

2019年9月13日

高齢社向けに実施した投資信託についても、金融商品の理解度(リスクなど)を確認せずに売っていたことが判明しました。(1万9591件)

該当手法は社内規定でも禁止されている方法であり、社内ルールも破ってでもいいから利益を上げる必要があった、それを許容する環境であったとになります。会社としての販売体質が根本的に間違っているようにしか思えません。この会社が売っている商品の中にまともな売り方をしている商品はあるのでしょうか?非常に遺憾に感じます。

小手先の是正措置ではなく、会社として非を認め、抜本的な改善をしなければこのような事象はなくならないと思います。

2019年9月13日

高齢社向けに実施した投資信託についても、金融商品の理解度(リスクなど)を確認せずに売っていたことが判明しました。(1万9591件)

該当手法は社内規定でも禁止されている方法であり、社内ルールも破ってでもいいから利益を上げる必要があった、それを許容する環境であったとになります。会社としての販売体質が根本的に間違っているようにしか思えません。この会社が売っている商品の中にまともな売り方をしている商品はあるのでしょうか?非常に遺憾に感じます。

小手先の是正措置ではなく、会社として非を認め、抜本的な改善をしなければこのような事象はなくならないと思います。

2019年9月30日

不適切販売問題の中間報告を発表。まだ4割の調査状況となります。

●調査状況
調査対象:18万3000件
調査完了対象:6万8020券
内部規定に反する契約数:6327件

なお2万6000人あまりが2重契約をした保険料の返還を求めているとのこと。

2019年10月31日

不適切販売問題の中、更なる不祥事発覚です。郵便局2名が切手を大量に着服し、金券ショップで換金した模様です。金額にして5,4憶円。こ

なお該当2名は懲戒解雇したようですが、この件は公表していなかったことが一番大きな問題です。不祥事続きなので、隠したいという気持ちはわかりますが、ここまで隠蔽体質が強いと、不適切販売の調査もどこまで正しいのか懐疑的な目で見てしまいますね。

2019年11月14日

2019年9月中間連携決算が発表されました。



出典元:かんぽ生命

注目すべきは新規の契約数です。前年が88万件、今年は58万件です。30万件ものダウンです。

想像していたほど減っていないのでは?と思われる人もいるのではないかと思いますが、新規契約の自粛をし出したのは7月以降です。

自粛後の契約数は例年の1割程度であると広報されており、58万の契約とは不祥事が発生する前に契約したものが大半であることがわかります。つまり非常に不味い状況であることがわかると思います。

この不味い状況を打破するには、不適切販売問題を解決し、新規顧客獲得に向けた営業が再開させないといけません。

しかし、調査状況を見ている限り今年度中の再開は難しいと思いますので、4Q(年度末)の決算では更に悪い結果が報告されるものと思われます。

2019年11月20日

投資信託を除くゆうちょ銀行商品の営業を再開すると発表。

なおお客様から、要望があれば投資信託の対応も実施するとのことです。

決算が悪かったので、焦ってきたのが見て取れますね。しかも、問題になった投資信託は完全に封印ではなく、客からの要望なら対応するよっというところが姑息ですね…

2019年12月19日

不適切契約の最終報告が発表。

2018年までの5年で法令、社内規則に違反した疑いのある契約は1万2863件。

社内においてノルマや不正を黙認する体質があったと報告。

記者会見では社長は経営責任を感じていると語っていたが、自身の退任には言及せず。

なんとも歯切れの悪い会見です。本当に1万2863件しかないのか?責任を感じているのであればなぜ退任しないのか?疑問符がつきます。

会見は最後は打ち切りのような形で終えており、誠実は言えません。

 

金融庁はこの件について一部業務停止命令を出すものと推測されています。

2019年12月26日

金融庁はかんぽと日本郵政に対して、行政処分(保険の新規販売業務を3カ月停止)をしたと報道。

この報道により株価の急落はみられませんでした。前情報もあり市場は織り込みであるということです。

2020年1月10日

グループ3社長が引責辞任をし、新たに増田氏が就任。就任時に不適切契約の調査対象を当初の18万3千件から約3千万件に拡大すると発表。

信頼回復のために膿を出し切る、顧客への誠一を見せるための第一歩でしょうか?トップが変更となり会社体制を一新し、事実を明らかにし、また稼げる状態に遷移出来るのか見ものですね。

調査対象が3千万件とすごい数なので、本当に調査しきれるのかが個人的には懐疑てすが…

かんぽ生命:1955円
日本郵政:1021円

なお本発表による大きな株価の動きはありませんでした。

2020年4月28日

優先調査として18万3000件を対象に調査していた不正契約問題ですが、約3600件の違反契約があったと発表。

かんぽ生命:1359円
日本郵政:861円

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  • この記事を書いた人

kiyo

2018年から投資が趣味に加わりました。なお華の2018年年始参戦の出川組です。鋼のメンタルを武器に、含み損を取り返し 投資で1億の財産形成を目指します。趣味は投資と子連れ旅行!ブログでこれらを発信してきます。※株について考察を行っていますが、最終的な投資決定はご自身の判断(自己責任)でお願いします。 →詳しいプロフィール

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