またしても大きな株価の暴落が発生してしまいました。
そうレオパレス21です。
3回にわたりTV番組『ガイアの夜明け』に取り上げられたことがトリガーとなり、建築違反の不正が露見され、国からも対処の指示うけ、株価は大暴落となりました
今後のレオパレス株について、株価、配当、優待、倒産確率を考察してみたいと思います。
※新たな情報が出た際、順次記事を更新していきます。
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レオパレス基本情報
先ずはレオパレスの基本情報を見ていきましょう。
基本情報
会社名:レオパレス21
業種:不動産 業界時価総額4位
会社概要:単身者向けのアパート建築請負、転貸
発行済株数:244,882,515株
2018年3Q売上高(前期比):3763億(-2.4%)
2018年3Q利益(前期比):-439億(-442%)
PBR:0.42倍
BPS:590.48
現在価格 :248円
配当利回り:0%
株主優待:自社ホテル宿泊券、工事費割引
※2019年3月5日時点
レオパレスといえば、マンスリーマンションとして有名で、知らない人はいない会社だと思います。
その他事業としては、介護事業、ホテルリゾート事業などにも参入しています。
売上をみれば一目瞭然ですが、不動産(賃貸、開発)以外は割合が低いです。
つまり不動産事業が生命線ということですその生命線で発生した、問題ですから大きく株価に影響が出たわけです。
レオパレス暴落までの時系列
次に問題発生から暴落までの流れを時系列を追って、確認していきましょう。
サブリース問題発覚
●2017年12月
テレ東の「ガイアの夜明け」にて、家主への賃料保証がまもられていないことを取り上げ。
番組の内容としてはレオパレスが以下のことをしていたという、告発のような内容でした。
- 30年間の家賃保証でアパートを建てさる
- 周辺にも同様にレオパレスを乱立させる
- 乱立による入居率低下
- 入居率低下理由に、保証金を強制減額する
- 更なる減額、解除を強制する
番組内では社長に本内容を詰問し、言葉につまるシーンもあって信憑性が高いのかな?と感じてしまいます。
界壁 建築違法問題 その1
●2018年5月
またテレ東の「ガイアの夜明け」にて、レオパレスの「ゴールドネイル」という木造アパートにて、防火壁(界壁)がないことを報道。
界壁があると、
一つの部屋で火災が発生した場合、燃え広がりがを抑止するこが出来ますつまり界隈がないということは燃え広がりやすく、非常に危険性のある建屋であるということです。
界壁の施工は、法律で義務付けられていて無い物件は違法建築になります。
この放送がトリガーでに国も動き、レオパレスが事実を認め、影響ある建屋の戸数の調査を開始しました。
なお2011年にも解約されたオーナーが個別に調査した際に、同事象が発覚し、裁判にも発展していたようです。
よって2011年時点で、既にレオパレスは把握していたが、大規模な調査などはせず知らん顔をしていたことになります。
界壁 建築違法問題 その2
●2019年2月5日
またまたテレ東「ガイアの夜明け」で、レオパレスが界壁のチェック結果を偽造していることを報道。
界壁問題に該当する対象の洗い出しをしていましたが、チェック結果として、問題ありの対象がいつの間にか問題なしに変更されていたようです。
また調査進捗状況にも差異があったとの報道もありました。
●2019年2月7日
レオパレスが謝罪、報告を実施。
- 追加で法令違反が1324棟発覚
- 360億円特別損失を計上
- 2Qは赤字だったが、3Qにて赤字が更に拡大
- 危険性が高い物件641棟、7782人に退去依頼
メモ
会社の負担範囲が非常に狭く、各入居者が引っ越し業界の繁忙期に個人個人で調整させるのは、対応に疑問符がつきます。
●2019年2月8日~13日
株価大暴落の発生!3日連続s安 500円代から200円代に!
レオパレスは特別損失430億に変更3Q 439億円の赤字を発表。
●2019年2月19日
国土交通相が173自治体にて1895棟の建築基準法違反を認定と発表。
レオパレスの見解と現実とではいろいろ食い違っており、広報された全ての情報が懐疑的に見えてしまいます。
株価下落後の動き1
2019年3月18日
外部調査委員会による施工不良について中間報告が発表。
一部署、役職員にとどまらず組織的・構造的に問題は存在遮音性、耐火性の基準で本来は「グラスウール」を利用する必要があるが、
基準に適合していない「発泡ウレタン」が1324棟で利用されていることが発覚またウレタンの使用は当時社長の指示で工期短縮が目的で進められた疑いもあり。
施工不良が意図的に実施されていたかはさらに調査し、五月末に最終報告にて発表するとのこと。
違法建築物から退去が必要な人は約7700だが、現時点で退去したのは、たった425人であることをレオパレスが発表。
調査と並行して、オーナー、住人への対応も早期に求められている状態ですね。
2019年4月10日
3月末時点調査状況が開示。
調査が完了した対象のうちの70%以上でなんらかの不備が発覚。
調査対象(建設総数):3万9千棟
調査完了対象:2万棟
不備発覚対象:1万4599棟
2019年5月10日(2019年度4Q決算)
深山社長が施工不良の責任を取り、辞任を発表。
2019年3月期の連結業績予想を修正、不正の対応費用として547億円を計上。純損益690億の赤字になるとは発表。しかし、20年3月期は1億の黒字予定とも発表あり。
私も開示された報告書を確認しましたが、2点が引っ掛かりました。
①不正の種別について
報告書には4種類の不正についての解説もありました。
2018年5月8日の報道ではこれ以外の新たな建築基準違反の疑惑が出ています。これは報告書には記載されておらず、これが本当であれば、さらに対応費用が更にかさむ可能性があります。
なお新たな疑惑とは、ガス・浄水・排水・換気用パイプを下の階から、上の階に通すために大きな穴があけられており放置されてるという事象です。
本来であれば、穴には耐火性素材で埋める必要があるようですがそれを怠っている疑いがあります。穴開けっぱなしは酷すぎるのでは?
②調査対象、不正対象の数があっているのか?
調査が完了した対象のうちの30%でなんらかの不備が発覚。
と記載がされており、2019年4月10日は70%以上の物件がなんらかの不備が発覚とあり食い違います。不備の定義、カウント方法を変えたのでしょうか?
①,②の結果を踏まえ
個人的には、公表された報告書の内容に懐疑的です。信用するならば、マイナス要素を出尽くしで株価は徐々に上がるかと思いますが、とてもそうは思えません。
また芋づる式に何らかの不正、対応費用の試算不備が発覚し赤字が拡大しているのでは?と思っています。
不正の対象が増えればその分、対応費用もかさみ損益も増えます。4月の報道のように本当に70%以上に不備があり対応が必要な場合、単純計算でいま見込んでいる574億の倍以上がかかる試算になりますので…
そうなるとやはり現状はまだまだ株は購入すべきタイミングではないと思います。会社のキャッシュ周りも怪しくなってきましたので…
今後の株価予測、倒産は?
倒産の危機
レオパレスは大きな会社です。
現金もたくさんあり、即倒産にはならないと思います。
特別損失:690億円
現金預金:1065億円
逆に言うと、キャッシュがあるうちに対策を打ち、信頼などを取り戻す必要があります。
売上の大半を不動産に頼っているので不動産で稼ぐ必要がありますが
下記のようにリスク山積みであり、まだまだ未来が見えません。
赤字拡大リスク
- 法令違反物件がさらに見つかる
- 家主、入居者に対する保証範囲拡大
- 集団訴訟の発生(精神的苦痛に対する補てんetc)
- 国から営業停止、法律違反対する賠償の発生
- 信頼失落に対する、売上低下
今後上記リスクが顕著化する可能性は、高いところ思います。
特に信頼の回復には、長い時間がかかると思われます。
今後はレオパレスのキャッシュフローには注目が必要ですね。
株主優待
優待はあまり儲かっていない、レオパレスホテルの宿泊券と自社建物工事割引があります。
不動産セグメントで問題が発生しているため工事の割引は廃止される可能性があると思いますが、ホテルは元々あまり儲かっていないので今まで通り、撒き餌として続けるのでは?と予想しています。
株主優待券メモ
2枚 :100株以上
■ 国内「レオパレスホテルズ」50%宿泊割引券
2枚 :100株以上
8枚 :1,000株以上
グァムホテルは1泊約1.5万です。2泊分を年2回もらえるので合計6万です。つまり現状は利回り250%です
配当
2019年3月の配当がなくなりました。
この状況なら、当然ですね。
赤字続くと思いますので、無配当が続くことが予想されます。
株価
S安からさらに下がり、100円代を一時的に割り込みましたが、
2019/3/5現在は200円代中腹にいます。
リスクがまだまだあり、前述したリスクが顕在化したら、下がりがまた進むと思います。
顕在化すりやリスクの大きさによっては上場廃止の可能性もあると思います。
よって株購入は控え様子見でよいと思います。
PBRだけをみれば、0.43倍と格安株と判断出来ますが、キャッシュ状況等を考慮すると長期保有目的で今買うのは控えた方がよいと思います。
買うにしても、100株など少量に留めるか短期が適切かと思います。
まとめ
- 法令違反物件が更に見つかる可能性あり
- 株価は更なる下落リスクあり
- 会社として、体力(キャッシュ)があるうちに信頼を取り戻す必要あり
大規模な不正で、企業の信頼に大きく傷をつけてしまっています。レオパレスが広報した調査結果も懐疑的に皆が受け止めているのでは?と思います。
単純に法令違反物件が2倍なれば損失が2倍です。掛け算する分母が大きい分、影響が莫大です。
何よりも、今後数年は不動産業務にて新規顧客の獲得は難しく売上低下は避けられないと思います。
信頼回復のためには工事した下請けが悪いと問題を押し付けるのではなく、どうして起きたのか?なぜ防げなかったのか?今後の対策は?について誠実に説明をし、皆に納得してもらう必要があると思います。
株価下落後の動き2(適宜更新箇所)
2019年5月14日
4月末での調査状況をが発表されました。
● 調査状況
調査対象:3万9000棟
調査完了対象:2万1277棟
不備が見つかった対象:1万5628棟
● 不備内訳
施工不良:7613棟
警備不良:8015棟
7割超の不備発覚です。調査はまだ完了していないため、更に増える可能性ありです。
また連日レオパレスの株価が上がっています。これについて、旧村上ファンドの関係者の会社であるレノという投資会社が株を大量買いしていると発表されました。大株主になって経営をコントロールしたいのでしょうか?現状どういう思惑の元、買いに動いたのか?気になるところではあります。レノの目的が経営支配権を獲得するためであれば、まだまだ上昇の見込みはあります。
2019年5月24日
ファンドによる株の大量買いが進んでいます。レノの他、旧村上ファンド系の南青山不動産という会社が株の購入を進めているようです。なおこの南青山不動産ですが、直近に廣済堂(7868)をTOBしようとしていました。結果は失敗しました。TOBの目的は会社の「買収」「合併」などが挙げられます。レオパレスも同目的にて買い進めているのであれば、更なる株価上昇の可能性はありそうです。しかしながら、ファンド動きしだいでは、再度急落する可能性もあり得ますので、みなさんご注意ください。
2019年6月9日
旧鵜村上ファンド系のレノ、南青山不動産が株を買い集め16.18%を保持の筆頭株主になりました。村上世彰氏は「単身世帯向けのアパートは手堅い」とも語っており、現状の社長を追い出し、物言う株主として経営に参加しようとしているのでは?っという推測が現実味を帯びてきました。SNS上でも「バリュー株として買い」として見るのか人もいれば、「経営体制が信頼できないから絶対に買わない」という人もおり、意見は分かれています。
2019年6月11日
5月末時点での調査対象状況が開示され、4月時点よりも新たに1000棟見つかったと広報がありました。また自社の設計で他社がつくった物件においても施工不良がみつかったとも報道がありました。
2019年6月12日
施工不良の対応としてアパートの修繕費用を工面すため、自社で保有するマンションなど140億文を売却すると発表されました。会社のキャッシュ状況が思わしくないようですね…。
2019年6月21日
レオパレスの施工不良における報告書に対して、弁護士らで構成される格付け委員会は、内容についてA~Fの5段階格付けを実施。8人のうち6人はD評価を下した。Fが不合格に該当するするため、ギリギリの評価であることがわかります。原因としては問題に対する原因分析が不足しているとのこと。
またレオパレスが設計、他社が施工した4745棟のアパートのうち869棟を調査したところ、766棟にて施工不良が発覚しました。調査を実施していない対象物件はまだまだあるため、施工不良が芋づるに見つかるものと思われます。自社施工と他社施工で、どれほどの不良が見つかるのでしょうか?
2019年7月10日
6月末時点の施工不良の調査結果が発表されました。結果としては75.8%で不備が見つかっています。そのためか、レノの大量買いにより一時は300円代までに回復していた株価ですが、急落反転し250円代にて推移しています。
● 調査状況
調査対象:3万9000棟
調査完了対象:2万5992棟
不備が見つかった対象:1万9689棟
2019年8月9日
2019年4~6月期連結決算にて、純損益が57億になると発表。
また7月末時点での調査状況が発表されました。
● 調査状況
調査対象:3万9000棟
調査完了対象:2万9385棟
不備が見つかった対象:2万2139棟
2019年9月7日
村上ファンド系ファンドのレノがレオパレス株の保有率を引き下げました。16.18%の保有率から10.18%に減少。またその他ファンドのモルガンスタンレーやオディAMも同様に保有率を下げています。株価の下落に注意ください。
なお8月末時点での調査状況が発表されました。
● 調査状況
調査対象:3万9000棟
調査完了対象:3万2700棟
不備が見つかった対象:2万3483棟
2019年10月7日
不正施工の対応によりキャッシュが少なくなったためか、札幌、仙台、博多のホテルを合計160億で売却することが決まりました。
なお9月末時点での調査状況が発表されました。調査は10月末までに全て完了する模様です。
● 調査状況
調査対象:3万9000棟
調査完了対象:3万2700棟
不備が見つかった対象:2万6299棟
2019年11月1日
調査対象の98%での調査が完了したと発表がありました。7割以上が問題ありとは…開いた口が塞がりませんね…
なお調査で発覚した物件の改修ですが、軽微な不備が見つかった1万6000棟は来年6月まで、明らかな不備が見つかった1万3000棟は来年12月まで対応するとのことです。
● 調査状況
調査対象:3万9000棟
調査完了対象:3万7800棟
不備が見つかった対象:2万9000棟
なお低迷するレオパレスですが、助け舟としてソフトバンク、OYOが買収に着手したと報道がありました。OYOといえば不動産業が気のAmazonといわれている企業です。レオパレスの不動産資産が安く買収して、日本でのビジネスにつなげる目測でしょうか?本当であれば、株は上昇するでしょうね!
2019年11月7日
決算にて2020年3月期の純損益が304 億円の赤字になる見通しと発表。原因としては、
施工問題の調査と補修工事の長期化による特別損失100億と新規での入居者募集が進まないことによる売り上げ見込みの549億円ダウン
のダブルパンチによるようです。キャッシュはまだありますが、更なる下方修正となる可能性がありますので4Q決算までは企業の行方に注目ですね。
2019年12月19日
OYOとヤフーが業務提携を解消を発表。これにより同社によるレオパレス買収が遠のきました。
一方、旧村上ファンド系のレノが買い増しをし、14.46%の保有率となりました。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」とのこと。
これにより、また株価は上向きになっています。
2019年12月19日終値 353円(前日比+6.01%)
2019年12月27日
旧村上ファンド系のレノがレオパレスの全役員解任を要求したようです。物言うファンドがとうとう動きだしましたね。
レオパレスVSレノがどのように決着するのか観察が必要です。
役員全員解任⇒会社として正常化 の流れが望ましいですがね…そう簡単にはいかないでしょう。
これによりptsでは株価は高騰。
株価 387.5円(+10.09%)
2020年1月28日
レオパレス側がレノが望む臨時株主総会の開催、事業提携を前向きに検討しだしたため、レノがレオパレスの全役員解任を要求を撤回しました。
レオパレスVSレノの構図は落ち着きましたが、投資家達はレノが役員を解任しレオパレスを一新してくれることを期待していたため、株価は下降しました。
株価 355円(-5.1%)
2020年4月30日
レオパレスが事業の抜本的な改革として賃貸管理の強化、アパート建設の縮小、国際事業、ホテルリゾートからの撤退を発表。( コロナの影響もあり)
これにより人気だったレオパレスホテルの優待は廃止となると思われます。
株価 240円(-0.41%)