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どうなるナノキャリア(4571)今後の株価、業績を予想


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がん領域に特化した創薬ベンチャーのナノキャリアの株価が大暴落しています。

がんを対象とした薬である NC-6004(シスプラチンミセル)が注目されていましたが、第Ⅲ相臨床試験にて承認申請をしないことを決定したことがトリガーとなりストップ安となりました。

今回はナノキャリアの今後の株価、業績、はたまた倒産確率(リスク)を予想したいと思います。

 

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基本情報

先ずは、ナノキャリアの基本情報を見ていきましょう!

会社名ナノキャリア
業種バイオテクノロジー
会社概要がん領域に特化した製薬
発行済株数66,057,401株
売上581百万円
経常利益-1,536百万円
PBR1.98倍
BPS141.23
ROE-35.25%
ROA-22.33%
自己資本比率67.6%
現在株価279円
株主優待なし
配当(一株あたり)なし

※2020年12月30日時点

出典元:マネックス証券

経常利益、ROE、ROAを見ればお分かりですが、サンバイオなどのバイオベンチャー銘柄にありがちな赤字垂れ流し会社です。

上場して株式を売って現金を得て、研究費に充てる。研究結果が実を結ぶまで、利益は出来ないが、製薬となり研究が大成した場合は大きな利益が得られる。

そのため株価はギャンブル性を秘めており、IR次第では大きく株価が上下します。記憶に新しいサンバイオショック同様、今回の暴落も第Ⅲ相臨床試験の承認申請見送りがトリガーでしたね…


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NC-6004(シスプラチンミセル)とは?

今回暴落のトリガーになったNC-6004について詳しく見ていきましょう。

出典元:ナノキャリア

ナノキャリアはミセル化ナノ粒子技術による医薬品の開発を目的とした会社です。そのため、パイプラインにもミセル化ナノ粒子技術を利用した新薬が並んでいます。

ミセル化ナノ粒子技術

医薬品を封入したミセル化ナノ粒子が静脈内投与された場合、血中に薬物が長時間循環することができ、効果が持続する薬物キャリアとなり得ることと、がん組織等の病変部へ集積(標的化)することが可能と思われている

ナノキャリアが開発しているNC-6004は、シスプラチンが持つ高い抗腫瘍効果と従来知られている激しい副作用を軽減し、かつ抗腫瘍効果の増強も期待できる新薬とのことです。

パイプラインを見るとNC-6004(シスプラチンミセル)はゲムシタビン併用の膵がん用途キイトルーダ併用の頭頸部がん用途があります。今回注目されているのでは膵がん用のNC-6004です。

第Ⅲ相臨床試験の承認申請見送りした理由として「膵がん治療の標準療法が変化し、ゲムシタビンが第⼀選択薬ではなくなってきた」とあります。

つまり、このパイプラインについては別の併用薬に変更し研究を進めるか、完全に中止するの2択ということです。

別の併用薬「キイトルーダ」を利用した頭頸部がん用は研究をすすめるとありますが、パイプラインの順番から見ると、ゲムシタビン併用の膵がん用途薬が一番上に膵がん用のこの薬が記載されており、ナノキャリアが一番力を入れている、研究が一番すすでいる薬であることがわかりますね。

また膵がん用の新薬を別の併用薬に鞍替えするにしても、また一から出直しとなります。

消費した時間とお金は戻ってきません。このとん挫がナノキャリアにとっていかにインパクトが大きいのがわかりますね。

株価と見る、時系列

次に暴落に至るまでの株価の推移を時系列で見ていきましょう。

2012年10月

資金繰りに喘いでた中で、総合化学メーカーの信越化学が第三者割当増資による1万2000株取得による筆頭株主化と医薬品開発に協力すると発表。(現在も筆頭株主)

この大きな後ろ盾を得て株価は急上昇。大きな上昇トレンドになり、2012年初200円台だった2013年5月には株価は5630円に。

2013年5月

5.23ショックが発生。日経平均が大暴落。(前日比-1143.28円:下落率-7.32%)

またバイオ銘柄が全体的に加熱気味だったため、ファンドが売りに転じる。これにより絶好調だったナノキャリアの株価も反転。現在進行形の大きな下げトレンドへ。

株価:1850円

2014年4月

NC-6004(シスプラチンミセル)のアジア地域における第Ⅲ相臨床試験開始。

株価:1044円

2017年2月

NC-6004(シスプラチンミセル)のアジア地域における第Ⅲ相臨床試験にて中間解析が実施され、本試験の継続が認められたこと発表。

株価:809円

 

2019年12月27日

NC-6004(シスプラチンミセル)のアジア地域における第Ⅲ相臨床試験にて、承認申請は実施しないと発表。

これによる株価はストップ安となり暴落。

株価:279円

2014年から第3相臨床試験を続けていますが、これが中止になってしまったのが今回の原因です。

2013年にはテンバガー(株価が10倍)銘柄だったのが、今では高値の1/20の株価です。

正にバイオ銘柄、ギャンブル性の高い銘柄であることがわかりますね。

 

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今後の株価と業績

株価チャート

今回 、承認申請が見送れたのはNC-6004(シスプラチンミセル)の膵がん対象についてです。その他器官のガンについては今後も研究が進める模様です。

またその他パイプラインもあり、会社として八方塞がりというわけではありません。

しかしながら、研究が完成して薬が商品化されなければ赤字垂れ流しの事実は変わらないのです。それを資金を確保するために更に株券を発行して資金調達をすると思います。

それにより、株が希薄化するのでどんどん株価が落ちているくと思います。

株の希薄が早いか、試験で良い結果が出るのかが早いか?前者だと株価は下がり続け、後者だと株が急上昇です。

なおチャートとしては2013年から強い下げトレンドであり、正に落ちるナイフ状態です。今回の暴落が更にこの下げトレンドを更に加速させるのでは?と思います。

2013以降は下げトレンド」、「臨床試験失敗」、「株がどんどん希薄化する

株価としてはかなり厳しい状態であるのは明白ですね。ジリ貧状態です。

倒産確率

現金は約30億しかありません…。今期15億の赤字であるため半分が消し飛びます。

「株価チャート」にも記載しましたが、本当に切羽つまったらバイオ株あるあるで、赤字補填のため株の第三者割当を実行し、資金を稼ぐものと思われます。

または筆頭株主である信越化学からの増資もありえると思います。

そのため直近の倒産はしないと推測しますが、強い下げトレンドであることには変わりはありません。

出典元:マネックス証券

まとめ

  • バイオ株だけで、ポートフォリオ組むのはやめよう
  • バイオ株はフルレバ、全力買いはやめよう
  • バイオ株は過度に上がったら一部利確、売り推奨
  • バイオ株は妄信せず、新薬完成までは常に注意を
  • 「NC-6004」etcの進捗状況次第で、さらに下がる可能性あり

バイオ銘柄の特色として、IRがかなりの頻度で出ます。そのため、株価が上下し易く、爆上げと暴落を繰り返します。

またどんなにすごい新薬を開発して、継続的に上昇した銘柄であってもヘッジファンドなどが利食い売りに転じれば暴落となります。

そのため、長期保有はせず適度に利確をすることがバイオ銘柄を嗜む人は念頭に置くべきです。

2012年から2013年にかけて発生した暴騰から暴落へのトレンド転換は新薬への不安、業績不振からからなどではありません。ヘッジファンドの売りです。

熱気を帯びやすい銘柄だからこそヘッジファンドに狙われて、一般投資家が無慈悲に蹂躙されるのです。

赤字垂れ流しのバイオ銘柄は投資ではなく、投機です。ギャンブル性が強いので人気なのかもしれませんが、長期投資でこつこつ資産を増やすつもりであれば辞めておくのがよいでしょう。

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  • この記事を書いた人

kiyo

2018年から投資が趣味に加わりました。なお華の2018年年始参戦の出川組です。鋼のメンタルを武器に、含み損を取り返し 投資で1億の財産形成を目指します。趣味は投資と子連れ旅行!ブログでこれらを発信してきます。※株について考察を行っていますが、最終的な投資決定はご自身の判断(自己責任)でお願いします。 →詳しいプロフィール

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