年金2千万円問題で、老後資金を作るために投資を始めたいと思っている人は沢山いると思いますが「何を買えばいいのかわからない?」と悩んでいる人も多いのでは?
最初のステップでおすすめなのは、積立NISAでインデックスファンドを購入することです。
適切な指数に則しているインデックスファンドの場合、世界経済が成長する限りリターンを得易いからです。
またその他投資方法では長期的にインデックス投資を超えることを難しいといわれています。
長期的に着実にリターンを得るのであればインデックスファンドを購入するのがベターということです。
では「どのファンドを購入すればいいのか?」と次の疑問が出てくると思いますが、ファンド選択にあたり参考になる情報があります。
それは投信ブロガーが選ぶ!ファンドオブザイヤー(FOTY)です。
FOTYは投資信託について記事にしているブロガー達が毎年おすすめな投資信託を投票し、ランキング化しているものです。
一般投資家が選んでいるため、企業が選定していないため、個人投資家目線の本当に有益なランキングになっています。(企業が選んだランキングの場合、広告費などの関係で偏ったランキングにはなりがちです)
ファンドオブザイヤーの場合、手数料が安くて、安定性、成長性がある長期投資に向くファンドがランキング上位に食い込むとなる傾向にあります。
今回はこれらの優秀な上位のファンドについて分析、解説をしていきたいと思います。
ファンドオブザイヤー2019結果
先ずは、2019年度のファンドオブザイヤーランキングを見ていきましょう!
順位 | ファンド名 | 投資対象 | 手数料 | 直近1年のリターン |
1位 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 全世界株式 | 0.1144%以内 | +19.04% |
2位 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | アメリカ大型株 | 0.0968%以内 | +24.54% |
3位 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 先進国株 | 0.10615%以内 | +21.31% |
4位 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | 先進国株 | 0.10989%以内 | +21.25% |
5位 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 世界の株式、債券、REIT | 0.154%以内 | +11.84% |
6位 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 全世界株式 | 0.222%程度 | +18.07% |
7位 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 世界の株式、債券 | 0.61%±0.02% | +12.65% |
8位 | グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) | 世界の株式、債券、REIT | 0.484%程度 | +27.30% |
9位 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) | 全世界株式 | 0.09%程度 | +18.65% |
10位 | SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド | アメリカ大型株 | 0.0938%程度 | +14.90%(※) |
※ 2019/09/26から運用開始のため1年の実績なし。2020年2月時点
三菱UFJ国際のeMAXIS Slimシリーズが上位を占めています。
eMAXIS Slimシリーズは、手数料を業界最安値にするという方針であるため、新たに別のファンドが手数料を安値にした場合、追従して更に安価にする傾向にあります。
このファンド方針があれば、長期的に保有する場合、安心して保有することが出来る一因になりますね。
さて次から上位5つのファンドについて、詳細を見ていきましょう!
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
ファンド名 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) |
オススメ度 | ★★★★★ |
運営 | 三菱UFJ国際投信 |
投資対象 | 全世界株式 |
指数 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
買付手数料(税込) | 0円 |
信託報酬 (税込)/年 | 0.1144%以内 |
分配金 | なし |
直近1年のリターン | +19.04% |
純資産 | 16,515百万円 |
全世界の株式にこれ一本で投資でき、手数料が安いのが魅力的なファンドです。
全世界に投資しているため、分散性、安定性が非常に高いです。現状はアメリカ株に投資しておけば高いリターンが得られるという風潮がありますが、それがいつまでも続くとも限りません。
万が一アメリカ株が下げトレンドになった場合、eMAXIS Slim全世界株式は全世界に分散しているため、そのリスクが押さえられます。
また新興国にも投資しているため、インド、中国の成長リターンも得られるという魅力的があります。ただし、構成比率の大半がアメリカであることも理解しておく必要はあります。
我が家では夫婦で積立NISA満額積み立てしていますが、妻分の年40万円分はこちらの買い付けをしています。コスト、分散観点でオススメです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
ファンド名 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) |
オススメ度 | ★★★★★ |
運営 | 三菱UFJ国際投信 |
投資対象 | 米国大型株 |
指数 | S&P500 |
買付手数料(税込) | 0円 |
信託報酬 (税込)/年 | 0.0968%以内 |
分配金 | なし |
直近1年のリターン | +24.54% |
純資産 | 17,028百万円 |
アメリカの大型株にこれ一本で投資できる、手数料が安いeMAXIS Slimシリーズのファンドです。
S&P500といえば世界を席巻しており、莫大な利益を稼ぎだしている企業の塊です。投資対象がそれらの企業であるため、他のインデックスファンドと比べ抜群のパフォーマンス性があります。
ただし、このパフォーマンスはアメリカが世界を牽引していることが原因ということを理解しておくべきです。
万が一、中国が世界シェアを奪い席巻することが起きたら、S&P500のパフォーマンスは低下するでしょう。
そうならないためにも、このファンド一本ではなく複合的に保有することオススメします。一つの国を信じ過ぎるのは、危ないと思いますので…。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
ファンド名 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
オススメ度 | ★★★★★ |
運営 | 三菱UFJ国際投信 |
投資対象 | 先進国株式(日本を除く) |
指数 | MSCIコクサイ・インデックス |
買付手数料(税込) | 0円 |
信託報酬 (税込)/年 | 0.10615%以内 |
分配金 | なし |
直近1年のリターン | +21.31% |
純資産 | 84,392百万円 |
先進国22か国の株にこれ一本で投資できる、手数料が安いeMAXIS Slimシリーズのファンドです。
先進国といえども、大半がアメリカです。世界第1位の時価総額であるアメリカの割合が高いのは当然の結果ではありますが、日本が除かれていることは理解しておくべきです。
日本は景気が悪い悪いといわれ続けていますが、日本の株式時価総額はアメリカに続き世界第2位です。世界2位の株式が投資対象ではないということです。
日本の未来に期待していないのであればこのファンドでもよいかなと思いますが、私は日本の未来を信じて日本株が組み込まれているeMAXIS Slim全世界を押したいですね。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
ファンド名 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド |
オススメ度 | ★★★★★ |
運営 | ニッセイ・アセットマネジメント |
投資対象 | 先進国株式 |
指数 | MSCIコクサイ・インデックス |
買付手数料(税込) | 0円 |
信託報酬 (税込)/年 | 0.10989%以内 |
分配金 | なし |
直近1年のリターン | +21.25% |
純資産 | 164,421百万円 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックスと同じ先進国を投資対象している、手数料の安いファンドです。パフォーマンスもほとんど大差はありません。
こちらのファンドの方が手数料が安いのですが、eMAXISはファンドの方針が最安値を目指すと謳っていため、その期待からeMAXISのほうが人気です。(ニッセイ:0.10989%以内、eMAXIS:0.10615%以内)
長期的に保持するのであれば、ニッセイよりは最安値方針が素敵なeMAXISがオススメです!
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
ファンド名 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) |
オススメ度 | ★★★★★ |
運営 | 三菱UFJ国際投信 |
投資対象 | 世界の株式、債券、REIT※ |
指数 | 合成指数 |
買付手数料(税込) | 0円 |
信託報酬 (税込)/年 | 0.154%以内 |
分配金 | なし |
直近1年のリターン | +11.84% |
純資産 | 46,564百万円 |
※REITには新興国は含まれていない
1位から4位までは株式のファンドでしたが、こちらは債券、REIT(不動産)を含む究極のバランスファンドです。
バランスファンドといえば、安定性が高まりますがどうしても手数料が高くなってしまう傾向にあります。
しかし、eMAXISはバランスファンドなの0.154%以内という驚きの低コストです。
構成の詳細は以下の通りです。リートについては新興国が含まれていないのは認識しておきましょう。
株は日本を含む世界(TOPIX、MSCIコクサイ・インデックス、MSCIエマージング・マーケット・インデックス)
債券も日本を含む世界(NOMURA-BPI、FSTE世界国債インデックス、 JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド)
リートは日本を含む先進国(東証REIT指数、S&P先進国REITインデックス)
先述の通り、手数料は他のファンドより高く、またパフォーマンスも低めです。リスク抑えめファンドなのでこれはしょうがないですね。
株だけでポートフォリオを固めるリスクを取れるのであれば、このファンドは必要ないですね。
まとめ
- 悩んだらeMAXIS Slimから選ぼう
- リスクを考慮してアメリカ株以外も検討
- 更にリスクを考慮し、債券、不動産も検討
- 配当が出るファンドは非推奨
直近10年間であればパフォーマンスを求めるならば、eMAXIS SlimS&P500だけでも良いかなと思います。
しかし、何らかの事象によりアメリカが低迷すればS&P500一本ではパフォーマンスがよろしくない状況に陥る可能性もあります。
20年、30年と長い期間投資する予定であれば起こりうる事象です。長期的に積み立てするのであれば、これらリスクを考慮して、アメリカ株だけではなく、その他国の株も、または債券やREITも組み込むという検討が必要です。
また、積立NISAではスイッチングが出来ません。アメリカ株のパフォーマンスが落ちてきたら、別のファンドに乗り換えることが出来ませんので、尚更リスクをしっかりと考慮していファンドを決めましょう。
最近、「アメリカ株が最強!」妄信的な口コミなどがあふれていますが、リスクを理解した上でその思想に乗っかるのであればよいと思いますが、雰囲気に押し流されて買うと痛い目にあいますので、「自分が許容できるリスクはどこまでなのか?」をしっかりと分析、シナリオ描いて投資を行いましょう。
初心者の方は、直ぐにリスクを把握するのは難しいと思いますので、先ずは投資を開始して、投資の世界に身を置くことで投資のレベルを高めていきましょう。
そして、自分が許容できるリスクを探って、投資スタイルを確立しましょう!
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