世界同時株安で荒れている相場の中、
また新たな暴落銘柄がでました
エーザイです
2月のサンバイオショックの記憶が
冷めやらない中、また新薬の治験失敗による暴落です
今回も新薬について、
株価の推移、今後について記載したいと思います
エーザイ 基本情報
先ずはエーザイの
基本情報を見ていきましょう!
基本情報
会社名:エーザイ
業種:医薬品 業界時価総額5位
会社概要:医薬品の開発,製造,販売および輸出入
発行済株数:296,566,949株
売上:600,054百万円
経常利益:76,803百万円
PBR:2.86倍
BPS:2,196,85
従業員:3,172人
開発している薬:対アルツハイマー病、がんなど
現在株価 :6293円
株主優待:なし
配当(一株あたり):150円
※2019年3月26日時点
直近大暴落を招いた
サンバイオとの大きな違いとして
エーザイは大きな会社であり、
今回問題になったアデュカヌマブ以外にも他素晴らしい薬を提供していて
しっかりと利益を出し、成長をしています
特に抗がん剤である「レンビマ」が
業績を牽引しており、堅調なようです
暴騰から暴落の流れ
時系列で今回の流れを確認する前に
今回の発端となった「アデュカヌマブ」について、記載したいと思います
アデュカヌマブとは?
エーザイは近年、アルツハイマー病の
新薬開発に非常に力を入れています
高齢化社会が進んでいるこの世の中で
該当製品がもたらす効果は絶大であり
治せなくても、発症を遅らせるだけで
介護費用などコストが50%の削減できるという見解もあります
「アデュカヌマブ」は
その問題を解決するために
研究が進められている新薬の一つです
以下、代表的な開発薬の説明
●BIIB037(アデュカヌマブ)
BIIB037 は、バイオジェン・アイデック社がNeurimmune 社よりライセンスを受けて開発している抗Aβ ヒトモノクローナル抗体です。BIIB037 はAD 患者の脳に形成された毒性の高いAβ 凝集体に結合し除去することで、病態の進行を抑制することが期待されています●E2609(Elenbecestat)
E2609 は、エーザイが次世代経口アルツハイマー型認知症治療剤として開発している自社創製のBACE阻害剤であり、アミロイド前駆体タンパク質のβ サイト切断酵素であるBACE を阻害することで、アミロイドβ (Aβ )を減少させます。Aβ の脳内の沈着はアルツハイマー型認知症の病因の一つと考えられており、Aβ を減少させることにより、症状改善だけでなく病態の進行を抑制するなどの疾患修飾作用も期待されています。●BAN2401(薬名なし)
BAN2401 は、アルツハイマー型認知症に対する免疫療法剤創製を目的としたバイオアークティック・ニューロサイエンス社(本社:スウェーデン、ストックホルム、以下 バイオアークティック)との共同研究から得られた、ヒト化モノクローナル抗体です。アルツハイマー型認知症を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有する可溶性のAβ 凝集体に選択的に結合して無毒化、脳内からこれを除去する世界で初めてのモノクローナル抗体です。本抗体による治療アプローチは、病態の進行を抑制するなどの疾患修飾作用が期待されています。
エーザイ以外の世界各国製薬企業にて
アルツハイマー病の治療薬の
研究されていますが
なかなか結果に結びつかず
治験の中止が相次いでいます
その中「アデュカヌマブ」は
順調に治験が進んでいるように見え
3段階で進む治験の
最終段階に突入していました…
株価と見る、時系列
暴騰から暴落について
時系列をもとに振り返って行きましょう
時系列
「アデュカヌマブ」の第1B相試験で、疾患の進行を遅らせることを確認できたと発表
●2018年 7月 暴騰(S高)
「BAN2401」の第2相試験の解析結果が良好と発表
●2019年 3/22 暴落(S安)
「アデュカヌマブ」の第3相試験で、主要評価未達成可能性が高く中止を発表
暴騰時のニュースを確認しましたが
エーザイが世界より一歩リードしたなど
大々的に報道がされていました
それに投資家が反応し、株価が大きく上昇したのが見て取れます
またエーザイのような非常に大きな
規模の会社がS高になることは、非常に稀なことです
それだけ新薬に対する、
期待が大きかったということのあらわれでもあります
今後の株価予想
スイスのUBS証券は、投資判断を「buy」
から「sell」に変更し、
目標株価も「4600円」変更しました
またシティグループ、野村証券も
投資判断の格下げと目標株価を
「6000円代」に変更しています
その他、証券会社も追従するものと思われます
新薬への期待、治験順調との報せから、上げトレンドになったのですから
その分の積み上がった分が消えると思います
2015年の新薬期待上げを起点すれば
株価は4000円ぐらいになります
2018年の期待上げを起点とすれば
6000円ぐらいです
個人的には、他のアルツハイマー病向けの
パイプラインは生きており
研究が進めらているため
4000円代に突入するこはないと思います
直近は5000~6000代位で推移するのは?
と推測しています
なお直近3/22のIRにて
「BAN2401」の第3層試験開始の発表がありました
これが良い結果が出れば
株価の巻き返しがあるかと思いますが
「BAN2401」も中止に追い込まれると
株価は更に下を目指すことになりそうです
まとめ
今回の流れは、
サンバイオショックのときと全く一緒です
夢のような薬が発表が治験も順調
期待で暴騰
やっぱり治験失敗
失望で暴落
期待で上がり、期待が無いなら下がる
バイオ、製薬はそれが過度に熱しやすく、冷めやすいのです
大抵の投資家には医療知識はありません
ましてや研究者でもありません
IR情報を鵜呑みにしてしまいがちですが
バイオ株は良い意味でも、悪い意味でも
いつ爆発してもおかしくない爆弾と
理解した上で、ポートフォリオに組み込み付き合うべきだと思います
- バイオ株だけで、ポートフォリオ組むのはやめよう
- バイオ株はフルレバ、全力買いはやめよう
- バイオ株は過度に上がったら一部利確、売り推奨
- バイオ株は妄信せず、新薬完成までは常に注意を
- エーザイ株は「BAN2401」etcの進捗状況次第で、さらに下がる可能性あり