株価が絶賛続落中であるLIXIL(リクシル)。
続落原因はメディアにも多く取り上げられています泥沼の経営陣問題が挙げられますが、具体的にどうのような問題があるのか?
その問題を時系列毎に並べ、株価と絡めてまとめていきたいと思います。
また株価の推移、今後についてもあわせ記載したいと思います。
リクシル 基本情報
先ずはLIXILの
基本情報を見ていきましょう!
基本情報
会社名:LIXILグループ
業種:住宅設備 業界時価総額2位
会社概要:住宅設備の最大大手。トステム、INAX、新日軽、東洋エクステリア、LIXILを統合した会社。
発行済株数:313,319,159株
売上:16,648,00百万円
経常利益:89,997百万円
PBR:0.69倍
BPS:2,085,95
従業員:61,140人(連結ベース)
現在株価 :1447円
株主優待:自社グループの割引券(100株以上)
配当(一株あたり):70円(利回り4.84%)
※2019年4月27日時点
住宅設備で最大であり、手掛ける分野も多岐にわたっています。
(キッチン、バス、トイレ、サッシなど)
特にトイレ設備関して国内において、見かけない場所は無いくらいのシェアがあります。どうやらTOTOとリクシルで大半のシェアを9割獲得しているようです。
ポイント
またM&Aやグローバル展開にも力をかなり入れている会社でもあります。
前年比では1.9%、316億円の成長となっておりますが、これはニュースにもなった子会社ペルマスティリーザ赤字が除外されています。
除外された該当会社の赤字をあわせると、4月末2018年度の純利益は赤字530億になると発表されました。(昨年度は546億の黒字)
業績が悪いですね…。それにあわせて経常陣のごたごた問題が発生しており、ダブルパンチを食らっている状況にあるわけです。
なお株価が下がったことにより、配当利回りが上がり魅力的であったため、私は2019年に入ってから100株だけ購入した銘柄でもあります。
経営陣について
時系列と株価を見て行く前に、先ずは経営陣(登場人物)について整理していきましょう。
潮田健次郎(創業一家)
トーヨーサッシ(現LIXIL)創業者。売上が1兆円に達したこと機に引退。息子を後継者に指名。
潮田洋一郎(創業一家)
代表執行役会長兼CEO(現)
潮田健次郎の長男。多趣味であり歌舞音曲の古典、モータースポーツにも参加している。
それも相成り?横浜ベイスターズの買収も検討したこともあり(最終的には、買収出来ず)
藤森義明(プロ経営者)
米ゼネラル・エレクトリック(GE)元副社長。資本と経営を分離を目指すという構想のため、経営担当のLIXIL社長兼CEOとして招かれるが、M&A失敗による赤字を招き退任。
瀬戸欣哉(プロ経営者)
モノタロウ会長。藤森氏の後任、二代目のプロ経営者として、LIXILの社長兼CEOとして招かれるが、突如退任。
注目すべきは、やはり潮田現CEOとプロ経営者の関係ですね。これだけ見ると創業一家としてはプロ経営者に経営をお任せていましたが、経営が思わしくないため、2回のプロ経営者退任を踏まえ、自分が経営に復帰しているように見えますが…
株価と見る、時系列
登場人物がわかったところで、時系列毎に更に詳しく見ていきましょう!
2011/08/01 株価:1,939円
藤森義明がプロ経営者としてCEOに就任。
GEキャリアを生かし、LIXILをグローバル企業へ改変していくこと発表。
2011/12/07 株価:1,500円
「イタリア ペルマスティリーザ」を買収。
2014/01/22 株価:2,886円
「ドイツ グローエ」「中国 ジョウユウ」を買収。
2015/06/03 株価:2,534円
「中国子会社ジョウユウ」の不正会計(巨額の簿外債務、売上高、利益の改ざん)にからみ損失が660億円にのぼると発表。
なお同じく買収した「イタリア子会社ペルマスティリーザ」においても不採算受注も発覚。
これにより、藤森氏のLIXILのグローバル化、海外同業企業をM&Aする成長戦略に黄色信号が点灯。
2015/12/21 株価:2,705円
藤森義明がCEO退任、瀬戸氏の就任が発表。
2016/01/01 株価:2,654円
瀬戸欣哉がプロ経営者としてCEOに就任。
2017/08/21 株価:2,923円
「イタリア子会社ペルマスティリーザ」へ売却決定を発表。
2018/10/31 株価:1,780円
「イタリア子会社ペルマスティリーザ」の売却延期が明らかに。
あわせて瀬戸欣哉のCEO退任、潮田洋一郎がCEO、山梨広一がCOOに就任することを発表。
なお退任を決断したのは指名委員会で、その指名委員会には潮田氏、山梨氏も名を連ねている。山梨氏は「潮田の腰巾着」とも評されている。
2019/04/15 株価:1,664円
株主(機関投資家)から潮田のCEO復帰に疑問符が!臨時株主総会にて潮田CEOに対し解任するよう求めた。
2019/04/18 株価:1,640円
潮田洋一郎会長兼CEOが取締役を辞任し、6月の定時株主総会後に会長兼CEOも退任することが発表。
2019年3月期の連結純損益が530億の赤字になることも発表。
退任理由は「イタリア子会社ペルマスティリーザ」の問題も挙げており、赤字を生んだ瀬戸元CEOの任命責任を取ったとのこと。
なお株主(瀬戸元CEO、機関投資家)からは潮田氏の退任の他にも山梨広一COOの退任も求めている状態である。
創業一家VS瀬戸元CEO&株主連合の経営権を巡る争いが本格的に激化!
M&A、グローバル化に期待をし、株は3000円代まで一時上昇していましたが
ここ数年間は1400~3000円のレンジで上がったり、下がったりを繰り返しています。
そもそも瀬戸氏のCEO解任のトリガーになった、イタリア子会社の赤字は瀬戸氏のせいなのでしょうか?
発表からは瀬戸氏に責任を押し付けているようにも感じてしまいます。
現状、着地点が全然見えていない状態であり、その不安からか株価が下がっている状態です。今後の経常陣の顔ぶれはいつ決着を見るのでしょうか?
(2019/4/26時点の株価1,447円)
今後の株価予想
チャートにて、ここ10年の安値をみると、2008年947円、2012年に1374円を記録しています。また2018年の世界同時株安時は1300円を割り、1270円になりました。
現状は、1400円代になっておりますが、経営陣問題解決の糸口が見えないため上がり、下がりを繰り返すと思います。泥沼の経営陣問題が長期化すればする程、会社として稼ぐ力は失速すると思われ、継続して株価が下がると思われます。具体的には1270円か947円の安値を目指すかたちになります。3000円で入ったホルダーには堪ったものではないですね…。
よって状況からして、配当利回りは高いがまだまだ買い場とはいえないです。静観して、待つのが良いと思います。赤字なので、配当も減配する可能性がありますので…
まとめ
私もリクシル株を所有しているため、株主として今後展開に注目しています。まだまだ会社として日本内需が利益の大半が占めているため、経営問題を早々に解決し、競争力を取り戻し、グローバル企業として大成してくれることを期待しています。なお今後もリクシルの動向については、記事として追記していきたと思います。
- 経営陣問題がまだまだ解決していない(創業一家VS瀬戸元CEO&株主が泥沼化)
- 問題が長期化すれば、会社の売上、損益、市場での競争の低下を招く可能性があり
- 解決まで株価は乱高下する可能性あり
更新箇所
2019年6月17日
株主総会のお知らせがLIXILから来ました。
中には業績が悪化したのは全て瀬戸CEOが原因であると断定した内容が記載されています。個人的には、経営問題のゴタゴタの中、このような通知を株主に送ってくるLIXILに対して不信感を感じてしまいました。
2019年6月25日
株主総会にて、会社側(潮田さん)VS株主(瀬戸さん)の戦いの結果、瀬戸CEOが復帰することが決定しました。取締役は株主側から8人、会社側から6人が選ばれ株主側が過半数を占め勝利したことになります。経営陣のゴタゴタ問題はひと段落かと思いますが、あくまでひと段落です。
瀬戸CEOが復帰したからといって業績がVの字回復することが決定したわけでもないです。またこのまますんなりと身を引くとも思えない創業一家の潮田さんサイドの動きにも注目をしていく必要があります。
2019年7月31日
株主通信が届きました。その中では、CEOの座を取り戻した瀬戸さんが経営陣問題のゴタゴタのお詫びと、新たな経営体制での意気込みを語っていました。何より、瀬戸CEOの笑顔が最高ですね。株主として、今後も応援していきたいと思います。